孤独死現場の消臭方法は?特殊清掃方法と費用相場を紹介

2025.03.28(公開日)
2025.03.28(最終更新日)
この記事で分かること

✔ 孤独死現場を自分で消臭する方法

✔ 孤独死現場の消臭にかかる費用相場

誰にも看取られることなく亡くなる「孤独死」。発見が遅れると、強烈な臭いが発生し、建物に染み付いてしまうことがあります。この「死臭」は一般的な消臭剤では対処が難しく、大家さんや遺族の方にとって大きな悩みとなります。

「隣の部屋から異臭がする」「親族の部屋で孤独死が発生してしまった」など、孤独死の現場に直面すると、まず気になるのは強烈な臭いではないでしょうか。この臭いをどうやって取り除けばいいのか、自分でできるのか、業者に依頼すべきなのか、多くの疑問や不安があると思います。

この記事では、孤独死現場の消臭方法について、自分でできることとその限界、専門業者による特殊清掃の内容、そして費用相場までを詳しく解説します。大切な方を亡くされた遺族の方や、物件を管理する大家さんにとって参考になる情報をお届けします。

孤独死現場の消臭を自分で取り除く方法

「費用を抑えたい」「できるだけ早く対処したい」という理由から、自分で消臭を試みたいと考える方もいるでしょう。ここでは、自分でできる対処法とその限界について説明します。

市販消臭剤で消臭できる?

孤独死の現場では、強力な臭いが発生します。「市販の消臭剤で何とかならないの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。結論から言うと、市販の消臭剤だけで死臭を完全に除去するのは非常に困難です。

市販の消臭剤には以下のような限界があります。

・一時的な効果しかない:市販の消臭剤は一時的に臭いを和らげることはできても、根本的な原因(体液や血液が染み込んだ建材など)に対処できません。

・浸透力が弱い:死臭は床材や壁材、畳などに深く浸透していることが多く、表面的な処理では効果が限定的です。

・種類によっては逆効果:香りの強い芳香剤タイプの消臭剤は、臭いに香りが混ざって独特の不快な臭いになることも。

「それでも自分でできることはないの?」という方のために、多少でも効果が期待できる対処法をご紹介します。

1. 換気を徹底する:まずは窓を開けて風通しをよくし、新鮮な空気を取り入れましょう。

2. 活性炭を置く:活性炭は臭い分子を吸着する効果があります。部屋の複数箇所に置くとある程度の効果が期待できます。

3. 重曹スプレー:水に重曹を溶かしたスプレーを作り、臭いの気になる場所に吹きかけると一時的に臭いを抑えることができます。

4. 酸素系漂白剤:汚れが目に見える場所には、酸素系漂白剤を使った清掃が効果的な場合もあります。

ただし、これらの方法はあくまで応急処置です。発見が遅れた孤独死現場の場合、自分での対処には限界があることを理解しておきましょう。

死臭は自然に無くなる?

「時間が経てば自然に臭いは消えるのでは?」と考える方もいるかもしれません。確かに、軽度の臭いであれば、時間の経過とともに徐々に和らぐことはあります。しかし、孤独死の現場、特に発見が数日以上遅れた場合の強い死臭は、自然に完全に消えるとは期待できません。

死臭が自然に消えない理由

・建材への浸透:体液や血液が床材、壁材、畳などに深く浸透し、そこで腐敗が進むため、長期間臭いが残ります。

・季節による違い:特に夏場は高温多湿の環境で腐敗が早く進み、より強い臭いが発生します。

・微生物の繁殖:遺体から漏れ出た体液には様々な細菌が含まれ、これらが建材内で繁殖を続けることで臭いが長期化します。

「実際にはどのくらいの期間臭いが続くの?」という疑問に対する目安は以下の通りです。

・軽度の場合(1〜2日程度で発見):適切な換気と簡易的な清掃を行えば、1〜2週間程度で臭いがかなり軽減することも。

・中程度の場合(1週間程度で発見):数ヶ月〜半年以上臭いが残ることがあります。

・重度の場合(2週間以上経過して発見):建材に深く浸透しているため、専門的な処理をしない限り、何年も臭いが残ることがあります。

特に夏場の孤独死では、わずか数日の間に臭いが建材に深く染み込み、自然に消えるのを待つだけでは解決しないケースがほとんどです。

自分で消臭するリスクは?

「費用を節約するために自分で何とかしたい」という気持ちは理解できますが、孤独死現場を自分で清掃・消臭することには、以下のようなリスクが伴います。

健康上のリスク

・遺体から漏れ出た体液には有害な細菌やウイルスが含まれていることがあります。

・適切な防護具(防護服、マスク、手袋など)がないと、健康被害を受ける可能性があります。

・特に傷や切り傷がある場合、感染症のリスクが高まります。

精神的な負担

・故人と関係が深い方が現場の清掃を行うことは、強い精神的ストレスとなります。

・トラウマになる可能性もあるため、可能な限り避けるべきです。

不完全な処理によるリスク

・素人の清掃では見落としや不十分な処理が生じやすく、後々まで臭いや細菌が残る可能性があります。

・建材に深く浸透した汚染を完全に除去するには、専門的な知識と道具が必要です。

法的なリスク

・感染性廃棄物を一般ゴミとして処分することは法律違反になる可能性があります。

・賃貸物件の場合、不適切な処理は次の入居者に健康被害をもたらす恐れがあります。

これらのリスクを考慮すると、特に発見が遅れた孤独死現場では、専門の特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。

孤独死現場の消臭が難しい理由

「なぜ孤独死現場の消臭はこんなに難しいのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。一般的な消臭とは異なり、孤独死現場の消臭が難しい理由はいくつかあります。

死臭の特性

・死臭は複数の化学物質が混ざった複合臭です。遺体の腐敗過程で発生するプトレシン、カダベリンなどの物質は非常に強い臭いを持ちます。

・これらの臭い分子は非常に小さく、建材の奥深くまで浸透しやすい特徴があります。

・人間の嗅覚は死臭に対して特に敏感に反応するため、わずかな残存でも強く感じることがあります。

建材への浸透

・体液や血液は、木材やコンクリート、畳などの多孔質な建材に深く浸透します。

・特に木材のフローリングや畳は液体を吸収しやすく、表面だけでなく下地材にまで汚染が及ぶことがあります。

・壁紙の裏側や壁の中にまで浸透することもあり、表面的な清掃だけでは対処できません。

微生物の繁殖

・体液に含まれる細菌は、適切な温度と湿度があれば、建材内部で長期間生存・繁殖し続けます。

・これらの微生物が代謝物質を出し続けることで、臭いが持続します。

・特に夏場の高温多湿環境では、微生物の繁殖が加速します。

一般的な消臭剤の限界

・市販の消臭剤は、このような深部まで浸透した臭いに対して効果が限定的です。

・臭いを一時的に覆い隠すことはできても、根本的な原因(体液や細菌)を除去できません。

・建材に染み付いた臭いに対しては、特殊な薬剤や機材を使用した専門的な処理が必要です。

時間経過による固着

・時間が経過するほど、臭い物質は建材に固着し、除去が困難になります。

・発見が数週間以上遅れたケースでは、建材自体の交換が必要になることも少なくありません。

これらの理由から、特に発見が遅れた孤独死現場では、専門業者による特殊清掃が必要となります。「自分で何とかしよう」という気持ちは理解できますが、健康リスクや不完全な処理による長期的な問題を考えると、専門家に任せることが賢明な選択と言えるでしょう。

孤独死現場の消臭は特殊清掃会社ができる

孤独死現場の消臭は、特殊清掃のプロフェッショナルに依頼することで、効果的かつ安全に行うことができます。特殊清掃会社では、どのような方法で消臭・除菌を行うのでしょうか?

消臭剤と除菌剤の散布

特殊清掃会社では、一般の方が入手できない専門的な消臭剤と除菌剤を使用します。これらは市販の製品とは効果が大きく異なります。

専用消臭剤の特徴

・死臭の原因となる化学物質(アミン類など)を化学的に分解する効果があります。

・建材に深く浸透する性質を持ち、表面だけでなく内部の臭いにも作用します。

・臭いを一時的に覆い隠すのではなく、根本的に分解・除去します。

専用除菌剤の特徴

・医療現場でも使用される高濃度の除菌成分を含み、様々な細菌やウイルスに効果を発揮します。

・建材内部まで浸透し、目に見えない微生物も徹底的に除去します。

・長期間にわたって抗菌効果が持続するものもあります。

散布の方法も専門的

・特殊な噴霧器(微細な霧状にする装置)を使って空間全体に均一に散布

・高圧噴霧器による壁や床への浸透散布

・注入器による建材内部への直接注入

これらの専門的な薬剤と散布方法により、市販の消臭剤では不可能な効果を実現します。適切な処理を行えば、強い死臭でも大幅に軽減することが可能です。

家財やゴミの搬出

孤独死現場では、遺体から染み出た体液が家具や寝具などに染み込んでいることが多く、これらは強い臭いの原因となります。特殊清掃会社では、汚染された家財の適切な搬出・処分も行います。

家財搬出の流れ

・遺品との仕分け(故人の大切な思い出の品と処分すべきものを区別)

・汚染された家具・寝具・カーペットなどの搬出

・法律にのっとった適切な処分(感染性廃棄物として特別処理が必要なものも)

特殊清掃会社に依頼する利点

・遺品整理のプロとしてご遺族の気持ちに配慮した丁寧な対応

・感染リスクのある物品の安全な取り扱い

・廃棄物処理法に準拠した適切な処分

「大切な遺品まで捨てられてしまうのでは?」という心配をされる方もいるかもしれませんが、多くの特殊清掃会社では、ご遺族の意向を尊重し、思い出の品は丁寧に仕分けて保管します。事前に保管しておきたいものがあれば、業者に伝えておくとよいでしょう。

血液や体液の清掃

孤独死現場の消臭で最も重要なのが、血液や体液が染み込んだ箇所の徹底的な清掃です。特に発見が遅れた場合、体液は床や壁に深く染み込み、強い臭いの原因となります。

専門的な清掃方法

・特殊な検知薬を使用して、目に見えない体液の痕跡を特定

・専用の洗浄剤による染み込んだ汚れの分解・除去

・高圧洗浄機やスチームクリーナーによる深部の洗浄

・必要に応じて床材や壁材の一部除去・交換

一般の清掃との違い

・バイオハザード対策を施した防護服を着用

・医療現場レベルの感染対策

・専門知識に基づいた徹底的な清掃

特殊清掃会社では、目視では確認できない血液や体液の痕跡も特定し、徹底的に除去します。

オゾン脱臭

特殊清掃会社では、化学的な消臭剤だけでなく、オゾン脱臭という方法も用います。これは、強力な酸化力を持つオゾンガスを利用して臭い分子を分解する方法です。

オゾン脱臭の特徴

・強力な酸化力で臭いの元となる物質を化学的に分解

・空気中だけでなく、建材の奥深くに染み込んだ臭いにも効果

・細菌やウイルスも同時に除去できる

オゾン脱臭の流れ

1. 部屋を密閉してオゾン発生装置を設置

2. 人がいない状態で一定時間オゾンを充満させる(通常6〜24時間)

3. オゾンが自然に分解されるまで待つか、オゾン分解装置で安全な状態に戻す

4. 換気を行い、残留オゾンを完全に除去

オゾンは高濃度では人体に有害ですが、適切な手順で行えば安全です。オゾン脱臭は処理中に人が立ち入らないよう厳重に管理され、処理後は十分な換気で残留オゾンを除去します。

特殊清掃会社による消臭は、これらの専門的な方法を組み合わせることで、一般の方では対処困難な孤独死現場の臭いも効果的に除去することができるのです。

孤独死現場の消臭費用相場は?

「特殊清掃に依頼するといくらくらいかかるの?」という疑問は、多くの方が持つことでしょう。ここでは、特殊清掃会社に孤独死現場の消臭を依頼した場合の費用相場を紹介します。

特殊清掃会社に依頼した場合の費用相場

特殊清掃の費用は、現場の状況や必要な作業内容によって大きく変動します。一般的な費用相場を、部屋の広さ別にまとめました。

ワンルーム・1Kの場合

・基本清掃・消臭:15万円〜25万円

・オゾン脱臭:3万円〜5万円

・家財処分(少量):3万円〜5万円

・合計目安:20万円〜35万円

1DK・2Kの場合

・基本清掃・消臭:20万円〜30万円

・オゾン脱臭:5万円〜8万円

・家財処分(中量):5万円〜10万円

・合計目安:30万円〜50万円

2DK・3Kの場合

・基本清掃・消臭:30万円〜45万円

・オゾン脱臭:8万円〜12万円

・家財処分(大量):10万円〜20万円

・合計目安:50万円〜80万円

3DK以上・戸建ての場合

・基本清掃・消臭:45万円〜80万円以上

・オゾン脱臭:12万円〜20万円

・家財処分(大量):15万円〜30万円以上

・合計目安:80万円〜130万円以上

ただし、以下の要因によって費用は大きく変動することをご理解ください。

費用を上げる要因

・発見までの期間が長い(2週間以上)

・夏場の高温多湿環境での孤独死

・体液が広範囲に染み込んでいる

・床材や壁材の交換が必要

・ゴミ屋敷状態で大量の不用品がある

費用を下げる要因

・発見が早い(数日以内)

・汚染が限定的な範囲

・家財が少ない

「思ったより高額…」と感じられる方もいるかもしれませんが、特殊清掃は専門的な技術と装備、そして感染リスクを伴う作業であることをご理解ください。また、多くの特殊清掃会社では、現場の状況に合わせた最適なプランを提案してくれますので、まずは無料見積もりを依頼することをおすすめします。

費用面で不安がある場合は、複数の業者から見積もりを取り、支払い方法も含めて相談することをおすすめします。

まとめ

孤独死現場の消臭は容易ではなく、市販の消臭剤では完全な除去が困難です。特に発見が遅れると臭いが建材に深く浸透し、自力での対応には健康リスクや不完全な処理の問題が伴います。死臭の原因は複合的な化学物質や微生物の繁殖にあり、長期間持続することが特徴です。

特に夏場は高温多湿により腐敗が進み、臭いが強くなるため、早めの対処が重要です。自力での対応には限界があるため、専門家に依頼することをおすすめします。特殊清掃の専門家は、遺族や物件管理者の精神的負担を考慮しながら対応し、24時間体制で相談や無料見積もりを受け付けている業者も多くあります。費用面で不安がある場合は、複数の業者から見積もりを取ることを検討し、一日も早く平穏な生活を取り戻すための適切な対策を講じることが大切です。

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