事故物件や事件現場の清掃は特殊清掃業者じゃないと難しい?その理由と料金目安を紹介

2025.07.26(公開日)
2025.07.26(最終更新日)
事故物件や事件現場の清掃は特殊清掃業者じゃないと難しい?その理由と料金目安を紹介
この記事で分かること

✔ 事故物件や事件現場の特殊清掃の流れ

✔ 事故物件や事件現場の清掃が特殊清掃業者でないとできない理由

✔ 事故物件や事件現場の特殊清掃費用相場

「管理物件で事故や事件が発生してしまった」「通常の清掃では対応できそうにない」

そんな状況に直面した物件管理会社の方にとって、適切な清掃業者の選択は重要です。

事故物件や事件現場の清掃には、通常のハウスクリーニングでは対応できない専門的な作業が求められます。適切な処理を怠ると、感染症リスクや異臭、近隣トラブルにつながる恐れがあります。

この記事では、作業内容から料金相場、業者選びのポイントまでを解説します。初めて特殊清掃を依頼される方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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事故物件や事件現場の特殊清掃とは?

事故物件や事件現場の特殊清掃とは、通常の清掃では対応できない汚染や異臭が発生した現場を、専門的な技術と設備を使って原状回復する作業です。

単なる掃除ではなく、感染症予防や完全消臭、建材の解体・交換まで含む総合的な復旧作業です。

体液や汚物の徹底的な除去

事故や事件現場では、血液や体液が広範囲に拡散している場合があります。孤独死の場合、発見が遅れると遺体の腐敗が進行し、大量の腐敗体液が床や壁に浸透します。これらの汚染物質は、通常の清掃用具では完全に除去できません。

特殊清掃では、まず専用の防護服を着用した作業員が現場に入り、汚染状況を詳細に調査します。

液体状になった体液は、専用の吸収剤で固形化してから回収し、固着した血液や体液は、タンパク質分解酵素を含む特殊洗剤を使用して分解・除去します。

フローリングや畳に体液が浸透している場合は、表面的な清拭だけでは不十分です。汚染が建材の深部まで及んでいる場合は、該当部分を解体・除去する必要があります。

このように、汚染の程度に応じて段階的に除去作業を進めていきます。

消毒作業による消臭と感染症予防

体液や汚物の除去が終わった後は、感染症対策と消臭のための本格的な消毒作業が行われます。血液や体液には、B型・C型肝炎ウイルス、HIVなどの病原体が含まれている可能性があり、医療レベルの薬剤と機器による処理が不可欠です。

作業では、二酸化塩素ガスやグルタラール系消毒剤を空間に散布して空気中のウイルスを除去し、床や壁には次亜塩素酸ナトリウムを使用して付着した細菌を99.9%以上除去します。

さらに、紫外線照射装置による殺菌処理を併用することで、目に見えない微生物まで徹底的に除去します。

こうした段階的な消毒処理により、臭いの元となる物質も分解され、衛生的で安全な居住空間が再生されます。

不用品の処分

事故現場には、故人の遺品や汚染された家具・家電が残されています。体液や血液が付着した物品は、感染症のリスクがあるため適切な処理が必要です。一般廃棄物として処分することはできず、感染性廃棄物として専門的な処理を行います。

処分対象となる主な物品
  • 汚染された寝具・衣類
  • 血液が付着したカーペット・マットレス
  • 体液が浸透した家具・家電
  • 汚染された日用品・食品

遺族が引き取りを希望する品は、消毒や拭き取りを行ってから返却しますが、汚染がひどい場合は処分を勧めることもあります。

作業時は、密閉容器を使って汚染物の飛散を防止し、搬出時の時間やルートも近隣に配慮して調整されます。

害虫駆除

遺体の発見が遅れた現場では、ハエ・ウジ虫・ゴキブリなどの害虫が大量発生していることがあります。これらは病原菌を媒介するリスクがあるため、早急な駆除が必要です。

まずは現場を密閉し、専用の殺虫剤を散布。ウジ虫などの発生源となる汚染物質も徹底的に除去します。排水管や床下にも害虫が潜んでいる可能性があるため、必要に応じて床の一部を解体し、詳細な調査・駆除を実施します。

作業後は、再発防止の予防処理を行い、清潔な状態を維持します。

汚染箇所の解体・清掃・消毒

体液や血液が建材の深部まで浸透している場合、表面的な清掃だけでは完全な原状回復は不可能です。このような場合は、汚染された建材の解体・撤去を行い、新しい材料に交換する必要があります。

解体が必要となる主な箇所
  • フローリング・畳・カーペット
  • 壁材・クロス・断熱材
  • システムキッチン・ユニットバス
  • 石膏ボード・合板下地材

解体作業では、養生シートで作業エリアを区切り、専用工具で慎重に施工。発生した廃材は感染性廃棄物として適切に処理します。

解体後は、下地に特殊消毒剤を用いて除菌・消臭処理を行い、新しい建材で原状回復を実施。見た目だけでなく、衛生面でも安全な空間を取り戻します。

事故物件や事件現場の特殊清料金

事故物件や事件現場の特殊清掃料金は、汚染の程度や現場の状況によって大きく変動します。適切な予算計画を立てるためには、間取りや作業内容による料金体系を理解し、見積もりの際に詳細を確認することが重要です。

間取りによって特殊清掃料金は変わる

特殊清掃の基本料金は、主に現場の面積によって決まります。間取りが広くなるほど作業時間が長くなり、使用する薬剤や機材の量も増加するため、料金も比例して上昇します。

間取り別の料金相場(基本清掃)
  • ワンルーム~1K:10万円~20万円
  • 1DK~1LDK:15万円~30万円
  • 2DK~2LDK:25万円~50万円
  • 3DK~3LDK:40万円~80万円
  • 4DK~4LDK:60万円~120万円

ただし、これらは基本的な特殊清掃作業のみの料金であり、汚染の程度や追加作業の内容によって大幅に変動します。軽度の汚染で早期発見された場合は下限に近い料金ですが、重度汚染で解体工事が必要な場合は上限を大幅に超える場合もあります。

料金に影響する主な要因
  • 発見までの経過日数
  • 季節(夏場は腐敗が早く進行)
  • 汚染の拡散範囲
  • アクセス条件(階数・エレベーターの有無)

作業内容によって特殊清掃料金は変わる

特殊清掃の料金は、必要な作業内容によって積み上げ式で算出されます。現場の状況に応じて、基本清掃に追加作業を組み合わせることで最終的な料金が決定されます。

基本清掃:8万円~15万円
  • 汚染物質の除去・清拭
  • 基本消毒・除菌処理
  • 簡易脱臭作業
  • ゴミ・不用品の分別
解体・復旧工事
  • 床材解体・交換:3万円~8万円(1坪あたり)
  • 壁材解体・交換:2万円~5万円(1坪あたり)
  • システムキッチン解体:5万円~15万円
  • ユニットバス解体:8万円~20万円
高度消臭処理
  • オゾン脱臭:3万円~8万円(24時間稼働)
  • ヒドロキシル脱臭:5万円~12万円(48時間稼働)
特殊作業
  • 害虫駆除:2万円~8万円
  • 排水管洗浄:3万円~10万円
  • 床下清掃:5万円~20万円

重度汚染現場では、これらの作業を組み合わせることで、総額50万円~200万円程度になるケースもあります。

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遺品整理の料金

特殊清掃と併せて遺品整理を依頼する場合の料金体系も確認しておきましょう。事故現場の遺品は感染症リスクがあるため、専門業者による処理が必要です。

間取り別遺品整理料金
  • ワンルーム~1K:3万円~8万円
  • 1DK~1LDK:5万円~15万円
  • 2DK~2LDK:8万円~25万円
  • 3DK~3LDK:12万円~40万円
  • 4DK~4LDK:18万円~60万円
追加料金が発生するケース
  • 大型家具・家電の処分:1点あたり1万円~5万円
  • 高層階での作業(エレベーターなし):基本料金の20~30%増
  • 貴重品捜索・分別作業:時間あたり5千円~1万円
  • 緊急対応(24時間以内):基本料金の30~50%増

感染性廃棄物の処理費用は通常の3~5倍程度となるため、汚染された遺品が多い場合は処分費用が高額になる可能性があります。見積もりの際は、処分予定の物品について詳細に相談することをお勧めします。

事故物件や事故現場に特殊清掃が必要な理由

事故物件や事故現場では、通常の清掃では対処できない深刻な問題が発生します。専門的な特殊清掃が必要な理由を理解することで、なぜ一般の清掃業者では対応できないのかが明確になります。

なぜ特殊清掃が必要なのか?

事故物件や事件現場では、一般的な清掃では対応できない深刻な問題が発生します。安全・衛生・法的観点から、専門業者による対応が不可欠です。

1.強い異臭の除去

死臭は建材に浸透し、市販の消臭剤では効果がありません。オゾンやヒドロキシルなど、分解力の高い脱臭技術が必要です。

2.建材の損傷

体液や腐敗によって床や壁が深く汚染され、カビや腐朽が進行する可能性があります。解体・交換が必要になる場合も。

3.法的・管理上の責任

清掃を怠ると、健康被害や悪臭による退去・風評被害につながり、管理会社が責任を問われるリスクがあります。

4.専門機材と技術が必要

高濃度オゾン発生装置や負圧除塵装置、防護服などの特殊装備と、それを安全に扱う技術が求められます。

これらの機材などは数百万円の投資が必要であり、適切な操作には専門的な訓練と経験が不可欠です。また、使用する消毒剤や脱臭剤も、人体に有害な物質を含む場合があり、安全な取り扱いには専門知識が必要です。

このように、事故物件・事件現場の清掃は、安全性・効果性・法的責任の観点から、専門的な特殊清掃業者でなければ適切に対応できません。

特殊清掃業者の選び方

信頼できる特殊清掃業者を選ぶことは、適切な原状回復と費用削減の両面で重要です。業者選定の際は、実績や対応力、料金体系などを総合的に判断する必要があります。

WEBサイトに実績が紹介されている

優良な業者を見極めるには、公開されている施工実績の内容が重要です。

とくに物件管理会社からの継続的な依頼がある業者は、技術力・信頼性ともに高いと判断できます。

確認したい実績
  • 施工実績
  • 孤独死・自殺現場への対応歴
  • 施工前後の写真
  • 作業内容の具体的な説明
要注意な例
  • 「多数あり」など曖昧な表現のみ
  •  写真なし・内容が簡素な事例
  • 法人対応の実績がない
  • 最近の施工実績が不明

無料で現地調査と見積もりをしてくれる

特殊清掃の料金は現場の状況により大きく変動するため、電話やメールのみでの見積もりは不正確になりがちです。信頼できる業者は、必ず無料で現地調査を実施し、正確な見積もりを提示します。

現地調査で確認すべき内容
  • 汚染範囲の正確な測定
  • 建材への浸透度合いの確認
  • 必要な解体作業の範囲特定
  • アクセス条件と作業環境の確認
  • 近隣への配慮事項の確認

優良業者の現地調査では、専門機材を使用した科学的な調査を実施します。臭気測定器による悪臭濃度の測定や、紫外線ライトによる体液付着箇所の特定などにより、見た目では分からない汚染状況も正確に把握します。

見積内容が明瞭で分かりやすい

信頼できる特殊清掃業者は、作業内容や料金の内訳が明確に記載された見積書を提示します。追加費用の条件なども事前に説明があるのが理想です。

特殊清掃ステップワンでは明瞭なお見積もりをご提示するために現場調査を丁寧かつ迅速に行っております。
もちろん、現場調査は無料で実施しております。

見積書に含まれる主な項目
  • 基本作業費:消毒・清掃・人件費など
  • 材料・機材費:消毒剤、脱臭機器、防護具、廃棄物処理など
  • 追加工事費(必要時):解体・建材交換・害虫駆除など
  • その他費用:出張費、駐車場代、諸経費など
チェックポイント
  • 「一式」など曖昧な表現がないか
  • 材料費と作業費が分かれているか
  • 廃棄物処理費が適正か
  • 有効期限の記載があるか

お問い合わせから対応が早い

特殊清掃ステップワンは最短即時で現場に駆け付けます!
24時間365日対応しておりますので、お問い合わせをいただいた後は迅速に対応ができます。

事故物件・事件現場では時間的な緊急性が高いため、迅速な対応が可能な業者を選ぶことが重要です。時間が経過するほど汚染や異臭が拡大し、最終的な復旧費用も高額になる傾向があります。

ただし、対応の早さだけでなく、質の高いサービスの提供も重要です。極端に早い対応を謳う業者の中には、作業品質に問題がある場合もあるため注意が必要です。

対応が親切でしつこい営業行為がない

物件管理会社にとって、業者との長期的な信頼関係は重要です。親切で誠実な対応をする業者は、今後の継続的な取引においても安心して依頼できるパートナーです。

優良業者の対応特徴
  • 専門用語を分かりやすく説明
  • 質問に対する丁寧な回答
  • 無理な営業や契約催促をしない
  • 他社との比較検討を理解
  • アフターフォローについて説明
避けるべき業者の特徴
  • 電話での執拗な営業
  • 契約を急かす行為
  • 他社を過度に批判する発言
  • 見積もり後の頻繁な営業連絡
  • 不安を煽るような説明

長期的な関係性を考慮した選択をすることで、将来的に同様の問題が発生した際にも、スムーズで信頼できる対応を期待できます。

事故物件や事件現場の清掃なら特殊清掃ステップワンにお任せください!

まとめ

事故物件・事件現場の清掃は、通常の清掃では対応できない専門的な作業が必要です。体液や汚物の徹底的な除去、医療レベルの消毒・除菌、強力な脱臭処理、さらには汚染建材の解体・交換まで、総合的な復旧作業が求められます。

物件価値の維持や近隣との関係を守るためにも、迅速な対応が欠かせません。この記事のポイントを活かし、信頼できる業者選びにお役立ていただければ幸いです。