殺人現場の清掃は特殊清掃業者ならできる!?特殊清掃料金と実例を紹介

2025.08.23(公開日)
2025.09.01(最終更新日)
殺人現場の清掃は特殊清掃業者ならできる!?特殊清掃料金と実例を紹介
この記事で分かること

✔ 殺人が起きた現場の清掃方法

✔ 殺人現場の清掃料金相場

「管理物件で殺人事件が起きてしまった」「通常の清掃では対応できそうにない」突然の出来事に直面すると、どう対処すべきか分からず不安になる方も多いはずです。

殺人現場では血液や体液が床や壁に染み込み、一般的な清掃では除去できません。適切な処理を怠ると、感染症の原因や悪臭、近隣トラブルにつながる恐れがあります。そのため、現場の原状回復には専門的な「特殊清掃」が必要です。

この記事では作業の流れや費用相場、業者選びの注意点を解説します。初めて依頼する方にとって少しでも参考になれば幸いです。

この記事の要約

事故や事件、孤独死などによる殺人現場では、血液や体液が床や壁に染み込み、感染症リスクや強烈な臭気が残るため、 通常のハウスクリーニングでは対応できません 。
特殊清掃業者は、そのような深刻な汚染に対処するため、専用の装備・技術を持って清掃を行います。使用されるのはオゾン発生器や高圧洗浄機、医療レベルの消毒剤、防護服などで、安全性と衛生を確保した上で臭気除去、感染対策、汚染建材の修復・交換まで対応可能です。
清掃費用の相場は間取りによって異なり、ワンルーム~1Kで10万~20万円、1DK~1LDKで15万~30万円、2DK~2LDKで25万~50万円、3DK~3LDKでは40万~80万円が目安となります。さらに、解体やオゾン脱臭などの高度な処理が必要な場合は、 総額で50万円~200万円 に達するケースもあります。

殺人が起きた部屋はハウスクリーニングで清掃できる?

殺人現場の清掃について「ハウスクリーニングでも対応できるのでは」と考える方もいますが、実際には通常の清掃と特殊清掃では目的も内容も大きく異なります。生活汚れを対象とするハウスクリーニングでは、血液や体液の除去、感染症対策、強い臭気の処理までは行えないため、対応が難しいのが現実です。

現場の状況が酷く、一度清掃に入ったハウスクリーニング業者さんや通常の清掃業者さんからお問い合わせをいただくこともあります。
人が亡くなられた現場は専用の防具服や専用の装置、現場経験がないと対応が難しいことが多いです。

ハウスクリーニング業者の清掃範囲

一般的なハウスクリーニング業者が対応できるのは、日常生活で発生する汚れや軽微な汚染に限られます。エアコンや換気扇の清掃、水回りのカビや水垢取り、床やカーペットの清掃などが主な作業です。

使用する洗剤や道具も市販品が中心で、専門的な消毒装備は備えていません。そのため血液や体液などの特殊な汚染には対応できず、感染症対策や安全確保の面からも殺人現場の清掃は不可能です。

殺人が起きた部屋はハウスクリーニングだけでは難しい?

殺人現場の清掃をハウスクリーニング業者に依頼することは、技術的に現実的ではありません。血液や体液の完全除去や感染症対策に必要な知識や装備を持たず、特殊な消毒や臭いの根本的な除去もできないためです。また、感染性廃棄物を処理する許可がないことや、作業員の安全確保・保険適用の問題も大きな課題です。

さらに、現場での心理的負担は大きく、専門的なサポート体制がなければトラウマの危険もあります。結果として、ハウスクリーニング業者では完全な原状回復は難しく、不適切な清掃がかえって汚染や異臭を残し、後々深刻な問題につながる恐れがあります。

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殺人が起きた部屋の状況

殺人事件が起きた部屋は、外見だけでは分からない深刻な問題を抱えています。表面的な清掃では対応できない汚染が広がり、時間の経過とともに建物全体へ影響が及ぶ恐れがあります。

現場によって状況が様々なため、それぞれの現場に応じた人員配置や清掃段取りが必要です。
これらはマニュアルだけでなく、経験による感覚も必要なため、このような現場を専門に対応している特殊清掃業者でないと作業がむずかしいです。

血液や体液が床や壁に染み込んでいる

事件のあった室内では、大量の血液や体液が床材や壁材に浸透し、一般的な清掃では除去できない状態です。フローリングの継ぎ目や下地、畳やカーペットの繊維、さらには壁紙や石膏ボードにまで広がり、場合によってはコンクリート層に達することもあります。

体液はタンパク質の凝固によって強く付着し、建材の変色や劣化を招きます。時間が経過するほど除去が困難になり、細菌やウイルスの繁殖源となる危険もあります。木材の腐食や金属部分の錆、床材の浮きや剥がれ、断熱材の劣化など、建物そのものに影響を及ぼす点も見逃せません。

血液は一度固まると建材の繊維に絡みつき、簡単な拭き取りでは除去できません。さらに酸化によって色素が残り、永久的な変色や美観の損失につながるため、専門的な処理が不可欠です。

発見が遅くなる臭いが部屋に充満している

汚染が広がった室内では、血液や体液の分解により強烈な臭いが発生し、時間の経過とともに部屋全体、さらには建物全体へと広がっていきます。最初は金属臭から始まり、やがて腐敗臭やアンモニア臭、油脂系の悪臭へと変化し、日が経つほどに強さを増していきます。

こうした臭いは換気口やエアコンを通じて隣接する部屋や共用部分にまで拡散し、近隣住民への影響や苦情につながる恐れがあります。夏季や梅雨時期には腐敗が進みやすく、短期間で深刻な状況に陥ることも少なくありません。

一般的な消臭剤では対応が難しいのは、臭いの成分が建材に深く浸透し、複数の臭いが混在し続けるためです。根本的な解決には、専門的な消臭・除去作業が不可欠です。

感染症のリスクが高い状況になっている

こうした部屋には多様な感染症リスクが潜んでおり、非常に危険な環境です。

特に血液を介した感染の可能性が高く、以下の病原体が含まれている場合があります。

HIV、B型・C型肝炎ウイルス、梅毒などの血液媒介ウイルス

黄色ブドウ球菌や大腸菌、MRSAなどの細菌

ノロウイルスやインフルエンザといった一般的な感染性ウイルス

感染経路も多岐にわたり、血液や体液への直接接触だけでなく、空気中に拡散した病原体の吸入や、汚染された器具・表面からの間接感染などが考えられます。乾燥した血液でも長期間感染力を保持することがあるため、見た目が清潔に見えても安全とは限りません。

このような環境で適切な防護なしに作業を行うことは極めて危険です。医療レベルの防護服や装備、正しい消毒手順、感染性廃棄物の処理、作業後の除染までを徹底できるのは特殊清掃業者だけであり、依頼することが唯一の安全な方法といえます。

殺人が起きた部屋の清掃を行う特殊清掃とは?

特殊清掃とは、通常の清掃では対応できない汚染や臭気を専門的に取り除くサービスです。事件や事故で血液や体液が残った室内には高度な技術と専門知識が求められるため、特殊清掃業者による対応が不可欠です。

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人が亡くなった現場を専門に清掃を行っている

特殊清掃業者は、孤独死や事件・事故現場、自殺や火災後の室内など、人が亡くなった後に残る汚染や臭気の処理を専門としています。血液や体液の除去、感染症対策、臭いの分解、法令に沿った廃棄物処理まで一連の工程を安全に行う豊富な経験を持っています。また、現場で培ったノウハウにより、建材や汚染の種類に応じた最適な清掃方法を確立しており、作業員の安全確保や近隣への配慮にも長けています。

特殊な技術と装置で原状回復まで対応している

特殊清掃では、一般の清掃にはない専用の装置や薬剤が用いられます。

代表的なものとしては

オゾン発生器による脱臭・除菌

高圧洗浄機による浸透汚染の除去

医療レベルの消毒剤や血液分解剤による殺菌

防カビ・防菌コーティングによる再発防止

などが挙げられます。これらを組み合わせることで、血液や体液の除去だけでなく、臭いの根本的な消臭や感染症リスクの排除、建材の修復や交換まで含めた包括的な原状回復が可能です。見た目を整えるだけではなく、科学的にも安全で衛生的な状態へ戻すことが目的です。

遺品整理や不用品回収まで行っている

多くの特殊清掃業者は、遺品整理や不用品回収も一括で請け負っています。

具体的には

貴重品や思い出の品の仕分け

重要書類の整理と保管

形見分けのサポート

汚染された家具や家電の撤去

感染性廃棄物の適正処理

といった作業を丁寧に行い、遺族の心情に配慮しながら進めます。これにより、管理会社や遺族は複数業者を手配する必要がなく、スムーズに原状回復を進めることができます。

包括的なサービスを一括で任せられることは、依頼者の負担を大幅に軽減できる大きなメリットです。

特殊清掃業者の具体的な清掃範囲

特殊清掃は現場ごとに異なるため、作業内容は状況に応じて大きく変わります。血液や体液などの汚物除去から始まり、臭気の消臭や感染症対策、必要に応じた建材の交換や修復まで幅広く対応するのが特徴です。ここからは代表的な作業内容を見ていきます。

汚物除去

事件や事故で発生した血液や体液、嘔吐物や排泄物など、生体由来の汚物を安全に除去するのが特殊清掃の第一歩です。現場調査で汚染範囲を正確に把握したうえで、養生や空気の流れを管理し、汚染が広がらないように配慮しながら作業を進めます。

血液や体液は固着や浸透が進むと簡単には除去できません。そこで酵素や専用洗浄剤を使って化学的に分解し、高圧洗浄や特殊ブラシなど専用機材を組み合わせて徹底的に清掃します。安全対策を伴うため、一般的な清掃業者では対応できない作業です。

血液や体液などの清掃

血液清掃は特に高度な技術を必要とします。ヘモグロビンによる変色や病原体を確実に除去するには、段階的な洗浄と殺菌処理が欠かせません。冷水洗浄や酵素処理で固着を防ぎつつ、専用洗剤や高温処理で分子レベルまで分解します。

また、建材の内部に浸透した汚染に対しては、真空抽出など特殊な技術を用いて深部まで清浄化します。尿や汗、唾液などもそれぞれ特性に合わせた方法で除去し、臭いや感染症リスクを残さないように対応します。

消臭や除菌

特殊清掃における消臭・除菌は「臭いを隠す」のではなく、原因そのものを取り除く作業です。オゾン処理による強力な脱臭、化学的中和処理、活性炭や特殊コーティングによる臭いの封じ込めなどを組み合わせて行います。

除菌についても次亜塩素酸やアルコール、紫外線や高温スチームなど複数の方法を併用し、細菌やウイルスを徹底的に除去します。作業後にはATP検査や臭気測定を行い、効果を科学的に確認します。

必要に応じて原状回復

清掃後も汚染や臭気が残る建材は交換や修復が必要です。フローリングや畳、カーペット、壁紙や石膏ボードなどは汚染部分を切り取り、新しいものに張り替えます。断熱材や天井材、配管周りなど見えない部分まで丁寧に処理し、再発防止を徹底します。

換気ダクトやエアコン、照明器具など設備も必要に応じて分解清掃や交換を行います。最終的には視覚的な汚染や臭気を完全に取り除き、細菌検査でも安全性を確認したうえで、再び安心して使用できる状態に復旧します。

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特殊清掃業者の料金相場

殺人現場の特殊清掃料金は、汚染の程度や作業範囲によって大きく変動します。適切な予算計画を立てるためには、料金体系を理解しておくことが大切です。

お部屋の広さによって料金が変わる

部屋の面積に比例して作業量や資材が増えるため、広さは料金を決める基本的な要素です。

おおよその相場は次のとおりです。

1R~1K:10万~25万円程度

1LDK~2LDK:15万~35万円程度

3LDK~3LDK:25万~50万円程度

5LDK以上:40万~80万円以上

部屋が広くなるほど作業に必要な人員や資材が増えるため、料金も上昇していきます。また、汚染が廊下や階段に及んでいる場合や、高層階でエレベーターがない場合などは追加費用が発生する点にも注意が必要です。

作業内容によって料金が変わる

料金は現場の状況に応じた積み上げ方式で算出されます。基本作業に含まれるのは「汚物除去・血液や体液の清掃・基本的な消臭や除菌・感染性廃棄物の処理」などですが、建材交換や特殊処理が必要な場合は追加費用が発生します。

追加料金の一例は以下のとおりです。

オゾン脱臭(24時間):3万円~9万円(重度の場合は複数日で加算)

害虫駆除:1万〜5万円(発生量に応じて変動)

建材交換:畳1枚3,000〜5,000円、壁紙1㎡あたり1,000〜2,000円

特殊機材使用:高圧洗浄機 1〜2万円、特殊バキューム 2〜3万円

緊急・時間外対応:基本料金の10〜50%割増

こうした作業は現場の汚染状況によって必須となる場合が多く、見積もり時に確認が必要です。

発見までの日数によって料金が変わる

事件からの経過日数も料金を左右する大きな要因です。発見が早ければ基本料金に近い金額で済みますが、日数が経つほど汚染が進み料金は大幅に上昇します。

発見が24時間以内:基本料金程度で済み、作業も1~2日で完了

2~3日後:料金は基本の130~160%、作業は2~4日必要

1週間後:料金は180~250%、作業は4~7日程度

1週間以上:料金は250~500%、建材交換が必須となり1~2週間かかる場合も

時間が経過するほど血液が凝固・腐敗し、臭気や建材への浸透が深刻になるためです。特に夏場や梅雨時期は腐敗が急速に進むため、同じ日数でも料金が高くなる傾向があります。

特殊清掃の料金相場は以下記事でも紹介しております。

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特殊清掃事例紹介

宮崎県都城市のアパートで発生した孤独死現場の特殊清掃事例

発見から数日経っていましたが、体液や血液はあまり広範囲に広がっていないお部屋でした。
しかし、体液と血液が床に染み込んでいたため、一度床を外し清掃を行いました。

間取り2LDK
作業日数8時間
料金30万円
埼玉県の孤独死現場特殊清掃実績

事例詳細は以下ページもご参照ください。

千葉県の一軒家で発生した孤独死現場の特殊清掃事例

お部屋全体に血液や体液が広がっていたことや一軒家でお部屋が数部屋ございましたので3名体制で10日間ほどの作業時間をいただきました。
通常の特殊清掃に加えて、畳の張替えや襖の取り付けまで行いました。

間取り一軒家
作業時間10日間
料金170万円
千葉県の一軒家での孤独死現場特殊清掃

事例詳細は以下ページもご参照ください。

まとめ

殺人事件が発生した部屋は、血液や体液による汚染、強烈な臭い、そして感染症のリスクなど、通常の清掃では到底対応できない問題を抱えています。見た目を整えるだけでは根本的な解決にはならず、床材や壁に体液が浸透してしまうと、時間が経過した後に再び臭いや細菌が発生する恐れがあります。そのため、特殊清掃業者による専門的で確実な処理が不可欠です。

特に管理物件で事件が起きた場合には、放置すると建物全体に臭気が広がり、近隣住民からの苦情や資産価値の低下につながる可能性もあります。こうした二次的な被害を防ぐためにも、信頼できる特殊清掃業者へ速やかに相談し、科学的かつ安全な原状回復を図ることが重要です。