孤独死が発生した部屋の清掃方法は?特殊清掃の流れとできることを紹介

2025.03.27(公開日)
2025.04.16(最終更新日)
この記事で分かること

✔ 孤独死が発生した部屋の特殊清掃の流れ

✔ 孤独死清掃の費用負担者

✔ 特殊清掃会社ができること

誰にも看取られることもなく亡くなり、発見が遅れる孤独死。

近年、高齢化の進行や単身世帯の増加に伴い、孤独死のケースは増加傾向にあります。

物件のオーナーさんや残された家族にとって、孤独死が発生した部屋の処理は精神的にも大変な負担となってしまいます。

さらに、発見が遅れるほど部屋の状態は悪化し、特殊な清掃処理が必要になることがほとんどです。「こんな状況、どう対応すればいいの?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、孤独死が発生した部屋の対応方法や清掃手順、費用負担、専門業者への依頼のポイントまで、わかりやすく解説していきます。初めて直面する状況でも慌てず対応できるよう、必要な情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

孤独死が起きた部屋の処理と清掃手順

孤独死が起きた部屋を処理する際は、一定の手順に従って進めることが重要です。

では、発見から原状回復までの流れを見ていきましょう。

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警察の現場検証

孤独死を発見したら、まずは焦らず落ち着いて、警察に通報することが必要です。

警察は死因の特定や犯罪性の有無を確認するため、現場検証を行います。

この検証が終了するまでは、部屋に立ち入ることや清掃を始めることはできません。

警察の検証が終わると「死体検案書」が発行され、それ以降の処理に進むことができます。ただし、死因に不審な点がある場合は、さらに詳細な調査が行われることもあります。

特殊清掃会社への相談

警察の現場検証が終了したら、特殊清掃会社への相談・依頼を行いましょう。

特殊清掃会社を選ぶ際には、実績や経験が豊富か、24時間対応しているか、料金体系が明確か、遺品整理も可能か、口コミや評判はどうかなどをチェックするといいでしょう。できれば複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することで適切な業者を選ぶことができます。

現地確認と見積もり

特殊清掃会社は現場の状況を確認し、具体的な作業内容と費用の見積もりを提示してくれます。現地確認では亡くなられてからの経過日数、部屋の広さや間取り、汚染の範囲と程度、必要な特殊装備や資材、遺品の量や状態などがチェックされます。

見積もりには、清掃費用だけでなく、遺品整理や消毒・消臭、廃棄物処理などの費用も含まれているので、「思ったより高い!」とならないよう、内訳をしっかり確認してください。複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を把握できます。

特殊清掃の実施

契約締結後、いよいよ特殊清掃作業が開始されます。

特殊清掃では防護服や専用マスクなどの装備を着用し、汚染された箇所の洗浄と除去、特殊薬剤による消毒処理、床下や壁内部に浸透した汚染物の除去、特殊機材による徹底的な消臭処理などが行われます。

特殊清掃は単なる表面的な清掃ではなく、見えない部分も含めた徹底的な処理が行われます。作業には通常、数時間〜1日程度かかりますが、汚染の程度によってはさらに時間を要することもあります。

遺品整理

孤独死現場には故人の私物や遺品が残されています。

「どうやって整理すればいいの?」と悩まれるかもしれませんが、特殊清掃業者の多くは遺品整理も行っていますので安心してください。

遺品整理では貴重品(現金、貴金属、重要書類など)の仕分け、思い出の品や記念品の整理、日用品や家具の仕分け、不用品の処分などが行われます。

遺品整理は単なる片付けではなく、故人の尊厳を大切にしながら丁寧に行われるべき作業です。可能であれば、家族が立ち会うことで、思い出の品や大切なものを確実に保管できます。「これは捨てたくない」というものがあれば、事前に業者に伝えておくといいでしょう。

消毒・消臭

孤独死現場では、目に見えない細菌やウイルスが繁殖している可能性があります。また、時間の経過とともに強い臭いが建材に染み込んでいることがほとんどです。「この臭い、本当に取れるの?」という心配をされる方も多いのですが、特殊清掃後には専門的な消毒・消臭処理が行われます。

特殊薬剤による床・壁・天井の消毒、オゾン発生装置などによる空間消毒、脱臭機や特殊消臭剤による消臭処理など、さまざまな方法で徹底的に処理されます。これらの処理により、目に見えない衛生上のリスクを排除し、臭いの問題も解決できます。

原状回復

特殊清掃と消毒・消臭が完了した後、必要に応じて原状回復工事を行います。

汚染された床材の張り替え、壁紙の張り替え、天井の塗り直し、設備の修理や交換などの作業が含まれます。

原状回復工事は賃貸物件の場合は特に重要で、次の入居者を迎えるために重要な工程です。「特殊清掃と別の業者に頼まないといけないの?」という心配はありません。特殊清掃会社によっては原状回復工事も請け負っているため、一貫して依頼できます。

孤独死が起きた部屋で起きること

孤独死が発生し、発見が遅れた部屋ではさまざまな問題が発生します。

「どんな状態になるの?」という疑問にお答えするため、具体的にどのような状況になるのかを解説していきます。

床や壁などに体液や血液が染みついている

孤独死が発見されるまでに時間が経過すると、体液や血液が床や壁に浸透します。これらの液体は時間の経過とともに変色し、黒ずんだシミとなって残ってしまいます。特に木製の床や畳、カーペットなどの吸収性の高い素材は、液体が深く浸透するため、表面的な清掃だけでは除去できません。実は体液が浸透した場合、床下まで汚染が及んでいることも少なくないです。

このような汚染は見た目の問題だけでなく、衛生上の問題も引き起こすため、専門的な処理が必要になります。「見えなくなればいい」というわけではなく、健康被害を防ぐためにも徹底した処理が重要です。

ウイルスや感染症が蔓延している

孤独死現場にはさまざまな細菌やウイルスが繁殖している可能性があります。

特に夏場は高温多湿の環境により、細菌の増殖が加速します。「そんなに危険なの?」と思われるかもしれませんが、これは本当に注意が必要なことです。

孤独死現場では血液由来の感染症や腸内細菌、カビや真菌などの病原体が存在している可能性があります。これらの病原体は皮膚の傷口や呼吸器から体内に侵入し、感染症を引き起こす危険性があります。素人による清掃作業は感染リスクが高く、専門的な知識と装備を持った業者による対応が必要です。「自分でやれば費用が浮くかも」と思うかもしれませんが、健康被害のリスクを考えると、専門家に任せることをお勧めします。

腐敗臭が部屋に染み込む

孤独死現場で最も問題となるのが強烈な臭いです。遺体の腐敗により発生する臭いは、時間の経過とともに建材や家具に染み込みます。この臭いは非常に強烈で広範囲に拡散し、一般的な消臭剤では除去できません。

壁紙や畳、木材などの多孔質材料に深く浸透して、長期間にわたり残存する可能性があります。特に発見が遅れた場合、臭いは隣接する部屋や廊下、さらには他の住戸にまで拡散することがあります。この臭いを完全に除去するには、専門的な消臭処理や場合によっては建材の交換が必要になります。

孤独死が起きた部屋の清掃を特殊清掃会社に依頼が必要?

「自分で清掃できないの?」という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

孤独死現場の清掃を自分で行うことは可能なのでしょうか?

ここでは、特殊清掃会社に依頼することの重要性について説明します。

体液や血液、腐敗臭は通常の清掃で消すことはできない

一般的な清掃用具や家庭用洗剤では、孤独死現場の汚染を完全に除去することはほぼ不可能です。「市販の強力洗剤でもダメなの?」と思われるかもしれませんが、その理由をお伝えします。

体液や血液は建材の深部にまで浸透していて、市販の洗剤では分解・除去できない成分が含まれています。また、腐敗臭の原因物質は通常の消臭剤では中和できませんし、目に見えない微小な汚染物質が残存します。

特殊清掃会社は、これらの問題に対応するための専用の洗剤や機材、技術を持っています。

専門の道具がないと感染症のリスクがある

孤独死現場の清掃には、防護服や特殊フィルター付き呼吸マスク、ゴーグルや防護手袋、感染性廃棄物専用の処理容器、専用の消毒薬などの専門的な装備が必要です。

これは決して大げさな対応ではありません。

これらの装備なしで清掃作業を行うと、血液由来の感染症や細菌感染のリスクにさらされます。特に血液や体液が付着した箇所を素手で触れることは非常に危険です。

「マスクとゴム手袋でいいかな」という簡易的な対応では、十分な防護にはなりません。

また、作業後の廃棄物処理も専門的な知識が必要です。感染性廃棄物は一般ごみとして処分することはできず、専門の処理業者による適切な処理が必要になります。

孤独死の部屋には害虫や害獣が発生する

発見が遅れた孤独死現場では、しばしば害虫や害獣の発生が見られます。

特にハエやウジ虫、ゴキブリ、ネズミ、ダニ、ノミなどが問題になりやすいです。

これらの害虫・害獣は単なる不快感だけでなく、さまざまな病原体を媒介する可能性があります。特にハエやウジ虫は腐敗した組織に卵を産み付け、短期間で大量に発生します。

害虫駆除には専門的な知識と薬剤が必要です。市販の殺虫剤では完全な駆除は困難で、卵や幼虫が残ってしまう可能性が高いです。特殊清掃会社は害虫駆除も含めた総合的な対応が可能です。

実はこんなことも特殊清掃会社に依頼ができる

特殊清掃会社は孤独死現場の処理だけでなく、さまざまなサービスを提供しています。

「清掃以外にも頼めることがあるの?」という疑問にお答えするため、あまり知られていないサービス内容について紹介します。

ゴミ屋敷だった場合に片付けや清掃を依頼できる

孤独死が発生した部屋が「ゴミ屋敷」状態だった場合、通常の清掃に加えて大量のゴミや不用品の処理が必要になります。「こんなゴミの山、どうやって片付ければいいの?」と途方に暮れてしまうかもしれませんが、特殊清掃会社ではこのような状況にも対応可能です。

大量のゴミの分別と適切な処分、腐敗した食品や生活ゴミの除去、カビや害虫が発生している箇所の特殊処理、異臭の元となる物質の特定と除去など、総合的な対応を行っています。

ゴミ屋敷の片付けは単純な労働力だけでなく、廃棄物処理法に基づいた適切な分別と処分が求められます。「どれが燃えるゴミで、どれが資源ごみ?」といった判断も含めて、特殊清掃会社はこれらの法的要件を満たした処理を行っています。

遺品整理の依頼もできる

孤独死現場には故人の私物や遺品が残されています。「大切な思い出の品とそうでないものを区別するのが難しい」と感じる方も多いでしょう。特殊清掃会社は遺品整理のプロフェッショナルでもあり、さまざまなサポートを提供します。

貴重品の探索と保管(現金、通帳、証券、貴金属など)、思い出の品(写真、アルバム、記念品など)の整理、重要書類(保険証書、不動産関連書類など)の整理、家電製品や家具の仕分け、故人のプライバシーに関わる物品の適切な処理など、細やかな対応をしています。

遺品整理では故人の尊厳を守りながら、遺族にとって大切なものを丁寧に仕分けします。「これ、捨てていいのかな?」という迷いが生じたときも、スタッフがアドバイスしてくれますので、安心して任せることができます。また、遺品の中から相続手続きに必要な書類を見つけ出すお手伝いも行っています。

不用品の回収も依頼できる

特殊清掃後に不要となった家具や家電製品、生活用品などの回収も依頼できます。

大型家具(ベッド、タンス、ソファなど)の解体と回収、家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)の適切な処分、衣類や寝具の回収、書籍や雑誌などの紙類の回収、食器や調理器具などの回収など、さまざまな不用品を一度に処分できます。

不用品回収では、リサイクル可能なものと廃棄処分が必要なものを適切に分別し、環境に配慮した処理を行っています。「家電リサイクル法って何?」「粗大ごみの出し方がわからない」といった悩みも解決します。

特殊清掃の費用は誰が支払う?

「特殊清掃って高そうだけど、誰が払うの?」という疑問は多くの方が持つと思います。孤独死現場の特殊清掃費用は、状況によって支払い義務者が異なります。

ここでは、自宅と賃貸住宅それぞれのケースについて解説します。

持ち家で孤独死した場合

持ち家で孤独死が発生した場合、基本的には故人の相続人が特殊清掃費用を負担します。「相続人って誰?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、具体的な流れを見てみましょう。

まず、法定相続人(子供、配偶者、親など)が清掃費用を故人の財産から支払います。

故人に十分な遺産がある場合は、その中から清掃費用を支払うことができます。また、生前に特殊清掃サービスと契約していた場合は、その契約に基づいて費用が支払われます。

「相続放棄したら支払わなくていいの?」と考える方もいるかもしれませんが、相続人全員が相続放棄した場合でも、最終的には行政が対応することもありますが、自治体によって対応が異なります。

賃貸住宅で孤独死した場合

賃貸住宅での孤独死の場合、「大家さんが払うの?それとも遺族?」という疑問があると思います。費用負担は以下のように分かれますので、確認してみましょう。

まず、賃貸借契約書に特約がある場合はそれに従います。多くの場合、原状回復義務の一環として借主(故人)側の負担です。連帯保証人がいる場合は、その保証人が費用を負担します。

また、特殊清掃費用をカバーする家財保険に加入していた場合、保険金から支払われることもあります。「敷金はどうなるの?」というと、敷金が残っている場合、そこから清掃費用を充当することがありますが、通常の特殊清掃費用は敷金を大きく上回るケースがほとんどです。

上記の方法で費用を賄えない場合、最終的には大家(所有者)が負担となります。

まとめ

孤独死現場の清掃は専門的な知識と装備が必要なため、必ず特殊清掃業者に依頼しましょう。自分で対応しようとすると健康リスクや二次被害の恐れがあります。

発見後はすぐに警察へ連絡し、特殊清掃会社へ相談することが重要です。費用面では、持ち家か賃貸かで負担者が異なるため、事前に契約や保険を確認しておくと安心です。

業者によって料金が異なるため、複数の見積もりを取り比較しましょう。また、万が一に備え、孤独死清掃をカバーする保険の加入も検討するとよいでしょう。

「どうすればいいかわからない…」というときは、経験豊富な専門業者に相談するのが最善の選択です。適切なサポートを受けることで、この困難な状況を乗り越えられます。

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