特殊清掃会社の正しい選び方を紹介!悪徳業者は〇〇が共通していた!
2025.04.06(最終更新日)

✔ 特殊清掃を正しく選ぶ基準
✔ 特殊清掃会社を間違えて選んでしまうリスク
孤独死や事故死が発生した場合、通常の清掃業者では対応できない特殊清掃が必要になります。「特殊清掃って何?」「どの業者を選べばいいの?」など、突然このような状況に直面すると、さまざまな疑問や不安が生じることでしょう。
特に夏場は高温多湿の環境で、発見が遅れると状況が急速に悪化します。体液の腐敗が進み、強烈な臭いが発生するだけでなく、害虫が発生することもあります。このような状況では、専門的な知識と技術を持った特殊清掃業者による対応が不可欠です。適切な特殊清掃業者を選ぶことは、この困難な状況を乗り越えるための重要なステップです。
残念ながら、中には不適切な対応や高額な追加費用を請求する悪徳業者も存在します。「安さ」だけを売りにして契約後に追加費用を請求したり、不十分な清掃で問題を残したりするケースも少なくありません。この記事では、信頼できる特殊清掃業者の選び方と、悪徳業者の見分け方について詳しく解説します。大切な方を亡くされた方や不動産オーナーの方々が、安心して依頼できる業者選びの参考になれば幸いです。
特殊清掃業者の正しく選ぶポイント
特殊清掃業者を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、信頼できる業者を選ぶための具体的なチェックポイントをご紹介します。
作業見積内容は明確にされているか
良い特殊清掃業者の第一の特徴は、「見積内容が明確である」ことです。具体的には以下のような点が明確に示されているかをチェックしましょう。
・作業内容の詳細:「特殊清掃一式」といった曖昧な表現ではなく、具体的な作業内容(血液除去、消臭、除菌など)が記載されているか
・使用する薬剤や機材:どのような薬剤や機材を使用するのかが説明されているか(例:特殊洗浄剤の種類、オゾン発生器の使用有無など)
・作業範囲:どの部屋のどの部分を清掃するのかが明確に示されているか(例:主寝室の床と壁、浴室全体など)
・作業時間:予定作業時間や日数が明記されているか(例:約8時間、2日間の作業など)
・費用の内訳:清掃費、消臭費、廃棄物処理費など、費用の内訳が明示されているか
例えば、「特殊清掃一式:30万円」という見積もりと、「血液・体液除去:12万円、消臭作業:8万円、除菌処理:5万円、廃棄物処理:5万円、合計30万円」という見積もりでは、後者の方が明確で信頼できます。見積書は契約の基本となる重要な書類です。曖昧な部分があれば、必ず質問して明確にしてもらいましょう。良心的な業者であれば、丁寧に説明してくれるはずです。
事前に必要な作業の説明をしてくれる
信頼できる特殊清掃業者は、事前に現場を確認した上で、必要な作業内容を丁寧に説明してくれます。
・現場状況の確認:可能な限り現場を事前に確認し、状況に応じた適切な提案をしてくれるか
・作業プロセスの説明:作業の流れや手順について分かりやすく説明してくれるか(例:最初に汚染物を除去し、次に特殊洗浄剤で清掃、その後消臭・除菌処理という流れなど)
・必要性の説明:なぜその作業が必要なのか、理由を明確に説明してくれるか(例:床下まで体液が浸透しているため、床材の一部交換が必要など)
・質問への対応:疑問や不安に対して、丁寧に回答してくれるか
具体的には、「床材を一部交換する必要があります」と言うだけでなく、「体液が床材に深く浸透しており、表面清掃だけでは臭いの原因が除去できないため、この部分の床材交換が必要です」というように、必要性を明確に説明してくれる業者が信頼できます。
「とにかく任せてください」と詳細な説明をしない業者や、現場も見ずに電話だけで見積もりを出す業者は要注意です。特殊清掃は現場の状況によって必要な作業が大きく異なるため、現場確認なしの見積もりは不正確になりがちです。
特殊清掃に必要な資格は保有しているか
特殊清掃には法的に必須の資格はありませんが、信頼できる業者は関連する資格や研修を受けていることが多いです。
・「事件現場特殊清掃士」:特殊清掃の専門技術を証明する資格
・「遺品整理士」:遺品の適切な整理方法を学んだ証明
・「脱臭マイスター」:脱臭に関する技能を持つ証明
・バイオハザード対策の専門研修修了:血液や体液による感染リスクへの対応力
これらの資格は、特殊清掃を安全かつ適切に行うための知識と技術を証明するものです。ホームページや問い合わせ時に確認してみましょう。信頼できる業者は、スタッフの資格や研修状況を明確に示してくれます。
契約書締結はあるか
特殊清掃の依頼は大きな金額が発生することが多いため、必ず正式な契約書を交わすことが重要です。
・作業内容と範囲の詳細:どのような作業をどの範囲で行うかを明記
・料金の総額と内訳:基本料金やオプション料金など、費用の詳細な内訳
・支払い条件と方法:前払いか後払いか、分割払いは可能かなど
・作業完了の確認方法:作業完了時にどのように確認するか(立ち会いの有無など)
・アフターフォロー(保証内容など):作業後に問題が発生した場合の対応
・キャンセルポリシー:キャンセル料の発生条件や金額
特に重要なのは、追加費用に関する条項です。「作業中に予期せぬ状況が発見された場合の対応」や「追加費用が発生する条件」などが明確に記載されているかを確認しましょう。
契約書を作成しない業者や、あいまいな覚書程度しか提示しない業者は避けるべきです。契約書は双方のトラブル防止に役立ちます。良心的な業者は、依頼者の権利を守るための明確な契約書を提示します。
最初の見積もりから作業後に追加費用は発生しないか
信頼できる特殊清掃業者は、最初の見積もりを誠実に行い、不必要な追加費用を請求しません。
・見積もり時に想定できる追加作業の可能性についても説明してくれるか
・追加費用が発生する条件が明確に示されているか
・作業途中で追加費用が必要になった場合、事前に相談・承諾を得る体制があるか
「作業してみたら想定より状況が悪く、追加費用が必要になった」と言われるケースがありますが、事前の現場確認でほとんどの状況は把握できるはずです。予期せぬ事態が発生した場合でも、誠実な業者は事前に相談し、承諾を得てから追加作業を行います。
悪徳特殊清掃業者の見極めるポイント
特殊清掃業界にも、残念ながら悪徳業者が存在します。ここでは、そのような業者を見分けるポイントをご紹介します。
特殊清掃費用が相場より安すぎないか
悪徳業者の多くは、最初は非常に安い見積もりを提示し、後から追加費用を請求するという手口を使います。これは「餌食戦略」と呼ばれる手法で、最初に顧客を引き込むために安い価格を提示するものです。
・相場よりも極端に安い見積もり(例:相場が30万円のところ10万円など)
・基本料金は安いが、オプション料金が不明確
・「まずは契約してください、詳細は後ほど」といった勧誘
特殊清掃の相場は、ワンルームで20万円前後、3LDKで60万円前後が一般的です。これよりも極端に安い見積もりには要注意です。「安すぎる」ことには必ず理由があります。最初は安くても、結局総額は高くなるケースが多いのです。
見積内容が不明瞭になっていないか
悪徳業者に共通して 、見積書の内容があいまいなケースが多く見られます。
・「特殊清掃一式」など、具体的な作業内容が書かれていない
・費用の内訳が明示されていない
・使用する薬剤や機材の記載がない
・作業範囲が明確に定義されていない
・追加費用に関する記載がない
見積内容が不明瞭な業者は、後から「それは含まれていません」と言って追加費用を請求するケースが多いです。良心的な業者は、見積書に詳細な作業内容と費用の内訳を明記します。
作業内容の説明が雑になっていないか
悪徳業者は作業内容の説明も雑である傾向があります。
・質問に対して具体的に答えず、「任せておいてください」と言うだけ
・作業のプロセスや使用する薬剤について詳しく説明しない
・「他社よりも安いから」「すぐに決めてください」などと急かす
・「全部きれいにします」など、効果を過大に強調する
信頼できる業者は、専門用語を使いすぎることなく、依頼者が理解できるように丁寧に説明します。また、「完全に臭いを消せます」などの断言はせず、現実的な期待値を伝えるのが誠実な態度です。
特殊清掃業者を間違えて選んでしまうと
不適切な特殊清掃業者を選んでしまうと、さまざまな問題が発生する可能性があります。ここでは、悪徳業者に依頼した場合によく起こるトラブルをご紹介します。
完全消臭されない
典型的な問題の一つが、不十分な消臭処理です。
・市販の消臭剤を散布しただけで、根本的な臭いの原因を除去していない
・表面的な消臭だけで、建材に染み込んだ臭いを処理していない
・オゾン脱臭など専門的な消臭処理を行っていない
・臭いの原因となる汚染源(床下の体液など)を除去せずに作業を終了している
特に夏場は高温多湿の環境で臭いが強まりやすく、不十分な処理だと数日後に臭いが再発することがあります。適切な消臭処理には、原因物質の除去、特殊消臭剤の使用、オゾン脱臭などが必要です。
汚れが取れていない
悪徳業者による不完全な清掃では、見えない場所の汚染が残っていることがよくあります。
・目に見える汚れだけを除去し、床下や壁の内部に染み込んだ体液などを放置
・専用の検知試薬を使用せず、肉眼では確認できない血液痕を見落とす
・適切な除菌処理を行わず、細菌やウイルスが残存している
・汚染された建材の交換が必要なケースでも、表面清掃だけで済ませる
これらの問題は、後から臭いや衛生上の問題として表面化します。特に血液や体液が深く浸透している場合は、専門的な処理や建材の一部交換が必要になることもあります。
追加費用が高額になってしまう
最も悪質な手口が、作業途中での高額な追加費用の請求です。
・最初は安い見積もりで契約し、作業開始後に「想定より状況が悪い」と追加費用を要求
・「このままでは臭いが取れない」と言って、高額なオプション作業を勧める
・契約書に細かい追加費用の条項が書かれている
・「今すぐ決めないと臭いが広がる」などと不安をあおり、即決を迫る
こうした追加費用の請求は、当初の見積もりの数倍になることもあります。特に清掃がある程度進んだ段階での請求は、断りにくい状況に追い込まれるため注意が必要です。
特殊清掃費用相場
特殊清掃業者を選ぶ際には、適正な価格かどうかを判断するために、費用相場を知っておくことが重要です。ここでは、一般的な特殊清掃の費用相場をご紹介します。
お部屋の広さによって変わる
特殊清掃の基本料金は、部屋の広さや間取りによって大きく変動します。
・1R・1K: 15万円〜25万円
・1DK・2K: 20万円〜35万円
・2DK・3K: 30万円〜50万円
・3LDK以上: 50万円〜80万円
ただし、これはあくまで基本的な清掃費用の目安です。発見までの期間や汚染の程度によって、さらに費用が変動します。例えば、発見が1週間以上遅れた場合は、上記の1.5〜2倍程度の費用がかかることもあります。
作業範囲によって変わる
特殊清掃の費用は、必要な作業内容や範囲によっても変わります。
・基本清掃(血液・体液の除去): 10万円〜30万円
・消臭・除菌処理: 5万円〜15万円
・オゾン脱臭: 3万円〜8万円
・害虫駆除: 3万円〜10万円
・床材の交換(部分的): 5万円〜15万円
・壁紙の張替え: 3万円〜10万円
例えば、発見が早く、汚染が限定的な場合は基本清掃と簡易的な消臭だけで済むこともありますが、発見が遅れた場合は上記のすべての作業が必要になることもあります。
見積もり時には、これらの作業のうち何が必要で、何が不要かを明確に説明してもらうことが重要です。信頼できる業者は、現場の状況に応じて必要な作業だけを提案し、不要な作業は勧めません。
まとめ
適切な特殊清掃業者を選ぶことは、この困難な状況を乗り越えるための重要なステップです。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。また、口コミや評判も参考にしながら、信頼できる業者を見つけましょう。
特殊清掃は決して安くはありませんが、健康リスクや精神的負担を考えると、専門業者に依頼する価値は十分にあります。不安や疑問がある場合は、まずは特殊清掃業者に相談してみることをお勧めします。経験豊富なスタッフが、状況に応じた最適な提案をしてくれるはずです。
大切な方を亡くされた方や、物件管理に悩む方々にとって、少しでも安心して依頼できる業者選びの参考になれば幸いです。