遺品整理は特殊清掃と同時に依頼できる?遺品整理と特殊清掃の料金や作業の流れ

2025.05.11(公開日)
2025.05.11(最終更新日)
遺品整理は特殊清掃と同時に依頼できる?遺品整理と特殊清掃の料金や作業の流れ
この記事で分かること

✔ 遺品整理と特殊清掃の作業内容の違い

✔ 遺品整理の費用相場

✔ 遺品整理と特殊清掃を行っている業者の正しい選び方と基準

親族が亡くなった後、残された部屋の整理や清掃は、遺族にとって精神的にも肉体的にも大きな負担です。特に孤独死などのケースでは、通常の掃除では対応できない特殊清掃が必要になることもあります。また、故人の思い出が詰まった遺品の整理は、感情的な面でも難しい作業です。

この記事では、特殊清掃と遺品整理の違いや関係性、料金相場、そして業者選びのポイントについて解説します。大切な方の最期を迎えた空間を、適切に整理・清掃するための参考になれば幸いです。

特殊清掃と遺品整理の違い

特殊清掃と遺品整理は、似ているようで異なるサービスです。それぞれの特徴と違いを理解しましょう

特殊清掃が必要になるケース

特殊清掃が必要となるのは、主に以下のようなケースです。

1. 孤独死や事故死が発生し、発見が遅れた場合

2. 体液や血液が床や壁に染み込んでいる場合

3. 強い悪臭が発生している場合

4. 害虫が発生している場合

5. 感染症のリスクがある場合

特に夏場など高温多湿の環境では、短期間でも深刻な状態になることがあります。通常の清掃業者では対応できないケースでは、専門の特殊清掃業者への依頼が必要です。

特殊清掃業者への依頼方法や作業開始までの流れは以下記事で紹介しております。

孤独死の場合、発見が遅れるほど状況は悪化します。数日経過すると、体液の染み込みや臭いの問題が発生し始め、1週間以上経過すると腐敗が進み、害虫の発生や建材への深刻な影響が出始めます。

このような状況では、一般の方が清掃を行うことは健康上のリスクもあり、専門的な知識と装備を持った特殊清掃業者への依頼が不可欠です。

特殊清掃の主な作業内容

特殊清掃業者が行う主な作業内容は以下の通りです。

1. 汚染物の除去(体液や血液の除去)

2. 消臭・除菌処理

3. オゾンによる脱臭作業

4. 汚染された建材(床材、壁紙など)の撤去・交換

5. 害虫駆除

6. 感染症対策を考慮した衛生管理

特殊清掃では、見た目の清潔さだけでなく、目に見えない菌やウイルスの除去、そして臭いの元となる物質の完全な除去が重要です。

特殊清掃の作業は、一般の清掃とは全く異なる専門性を持っています。作業員は特殊な防護服を着用し、専用の消毒液や機材を使用します。特に重要なのは、体液が染み込んだ箇所の徹底的な処理です。

表面的な清掃だけでなく、床下や壁の内部まで処理が必要な場合もあります。また、オゾン発生装置などの特殊機器を使用して、残留臭を完全に除去することも重要な作業の一つです。

遺品整理業者の主な作業内容

遺品整理業者が行う主な作業内容は以下の通りです。

1. 故人の遺品の分別・整理

2. 貴重品や重要書類の探索・整理

3. 家財道具の仕分け(遺族が引き取るもの、処分するもの、寄付するものなど)

4. 不用品の適切な処分

5. 家電リサイクル法に基づく処理 6. リサイクル可能な物品の分別

遺品整理は単なる片付けではなく、故人の人生を振り返り、思い出の品を大切に扱う「弔い」の側面も持っています。

遺品整理業者は、故人の遺品を単なる「物」としてではなく、その人の人生の痕跡として丁寧に扱います。例えば、写真や手紙などの思い出の品は、慎重に分類し、遺族に確認しながら整理します。

また、貴重品や重要書類(預金通帳、保険証書、不動産関連書類など)は、相続手続きに必要なものも多いため、特に注意深く探し出します。

一方で、大量の家財道具や日用品の処分も重要な作業です。リサイクル可能なもの、寄付できるもの、処分が必要なものを適切に分別し、法律に従って処理します。

特に家電製品や粗大ゴミなどは、自治体のルールに従った処分が必要です。

特殊清掃と遺品整理の関係性

特殊清掃と遺品整理は、場合によっては同時に必要となるサービスです。両者の関係性について見ていきましょう。

特殊清掃と遺品整理を同時に依頼すべきケース

以下のようなケースでは、特殊清掃と遺品整理を同時に依頼することをお勧めします。

1. 独死や事故死が発生し、発見が遅れた場合

2. ゴミ屋敷状態での死亡があった場合

3. 部屋の汚染が広範囲に及んでいる場合

4. 遺品と汚染物が混在している場合

5. 短期間で部屋を明け渡す必要がある場合

特に孤独死の場合、遺品と汚染物が混在していることが多く、専門的な知識を持った業者による仕分けが必要です。

孤独死が発生した部屋では、故人の遺品と汚染物が混在しているケースが多く見られます。

例えば、書類や写真などの思い出の品が体液で汚染されていることもあります。このような場合、素人が仕分けを行うと、貴重な遺品を誤って処分してしまったり、逆に汚染物を取り残したりするリスクがあります。

また、ゴミ屋敷状態の部屋では、大量のゴミや不用品の中から重要な遺品や書類を見つけ出す作業が必要になります。

このような複雑な状況では、特殊清掃と遺品整理の専門知識を持つ業者に同時に依頼することで、効率的かつ適切な処理が可能になります。

同時に依頼することのメリットとして、作業の重複を避けられること、一貫した対応によって作業期間を短縮できること、そして総合的な視点で部屋の状況を判断できることが挙げられます。

特殊清掃作業の流れと遺品整理のタイミング

特殊清掃と遺品整理を同時に行う場合の一般的な作業の流れは以下の通りです。

1. 現場調査と見積もり 

2. 貴重品や重要書類の探索・保管 

3. 遺品の仕分け 

4. 汚染物の除去

5. 特殊清掃作業

6. 不用品の処分

7. 最終確認と引き渡し

特殊清掃と遺品整理を同時に行うことで、効率的に作業を進めることができます。また、汚染物と遺品の適切な仕分けによって、大切な思い出の品を失うリスクを減らすことができます。

作業の初期段階では、まず貴重品や重要書類の探索が優先されます。

これは相続手続きに必要な書類や、金銭的価値のあるものを確保するためです。特に現金や貴金属、重要書類などは、特殊清掃の前に安全に保管しておく必要があります。

次に、遺品と汚染物の仕分けが行われます。この段階では、遺族の意向を確認しながら、保管すべき遺品と処分すべきものを分別します。特に写真や手紙、記念品など思い出の品は、できる限り保存する方向で検討されます。

汚染物の除去と特殊清掃は、遺品の仕分けが完了した後に行われることが一般的です。

これは、貴重な遺品が誤って処分されるリスクを減らすためです。特殊清掃では、専門的な装備と技術を用いて、部屋の徹底的な消毒・除菌・脱臭が行われます。

最後に、不用品の適切な処分と最終確認が行われ、清掃された部屋と整理された遺品が遺族に引き渡されます。

特殊清掃と遺品整理の料金相場

特殊清掃と遺品整理にかかる費用は、状況によって大きく異なります。ここでは一般的な料金相場について解説します。

特殊清掃の費用相場は以下記事で紹介しております。

特殊清掃の料金相場

特殊清掃の料金は、主に以下の要因によって変動します。

1. 汚染の程度と範囲

2. 発見までの経過時間

3. 部屋の広さ

4. 建材の交換の必要性

5. 季節(夏場は腐敗が進みやすい)

一般的な料金相場は以下の通りです。

・軽度の汚染(1R〜1K):10万円〜20万円

・中度の汚染(1R〜1K):20万円〜40万円

・重度の汚染(1R〜1K):40万円〜60万円以上

部屋が広くなるほど、費用は比例して高くなります。また、建材の交換が必要な場合は、追加費用が発生します。

汚染の程度による違いを具体的に説明すると、軽度の汚染とは、発見が比較的早く(数日以内)、表面的な清掃で対応可能な状態を指します。

中度の汚染は、1週間程度経過し、床や壁への染み込みがあり、部分的な建材の交換が必要な状態です。

重度の汚染は、2週間以上経過し、腐敗が進行して害虫が発生しており、広範囲の建材交換が必要な状態を指します。

夏場(6月〜9月)は高温多湿により腐敗が早く進むため、同じ経過日数でも冬場に比べて状態が悪化しやすく、費用が20〜30%ほど高くなる傾向があります。

また、マンションの高層階や、エレベーターのない物件では、作業の難易度が上がるため追加費用がかかることもあります。

一般的な清掃業者では対応できない特殊清掃は、専門的な知識と装備、そして経験が必要となるため、通常の清掃に比べて費用は高くなります。

しかし、素人が対応することのリスクを考えると、専門業者への依頼は必要な投資と言えるでしょう。

遺品整理の料金相場

遺品整理の料金は、主に以下の要因によって変動します。

1. 部屋の広さ

2. 遺品の量

3. 特殊な処分が必要なものの有無(家電、危険物など)

4. 作業の難易度(階数、エレベーターの有無など)

5. 地域による差

一般的な料金相場は以下の通りです。

・1R〜1K:5万円〜15万円

・1DK〜2K:10万円〜20万円

・2DK〜3K:15万円〜30万円

・3LDK以上:20万円〜50万円以上

ゴミ屋敷状態の場合は、上記の料金に追加費用がかかることがあります。

遺品の量による違いは非常に大きく、物が少ない場合と部屋一杯に物がある場合では、費用が2〜3倍異なることもあります。特に本や衣類など、量が多くなりがちなものが大量にある場合は、作業時間と処分費用が増加します。

また、地域による差も無視できません。大都市圏では作業員の人件費が高く、処分場までの距離も遠いことが多いため、地方に比べて10〜20%ほど費用が高くなる傾向があります。

特殊清掃と遺品整理を同時に依頼する場合、トータルでの費用が抑えられるケースもあります。

多くの業者では、セット割引などのプランを用意しています。同時に依頼することで、作業の効率化や移動コストの削減などが可能になり、個別に依頼するよりも10〜20%程度安くなることがあります。

特殊清掃や遺品整理ができる業者の選び方

特殊清掃や遺品整理の業者を選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。

見積内容が細かく明瞭である

信頼できる業者は、見積もりが細かく明瞭です。以下のような項目が明確に記載されているか確認しましょう。

・作業内容の詳細(何をどこまでやるのか)

・料金の内訳(基本料金、追加料金、処分費用など)

・作業時間の目安

・キャンセル料の有無とその条件

・アフターフォローの内容

「一式」という表記だけで詳細が不明な見積もりは、後から追加料金を請求される可能性があるので注意が必要です。

見積もり時には、「この費用以外に追加料金は発生しますか?」「キャンセル料はいつから発生しますか?」など、不明点を積極的に質問することが重要です。誠実な業者であれば、これらの質問に対して明確に回答してくれるはずです。

料金が高すぎ低すぎない

料金が相場から大きく外れている業者には注意が必要です。

極端に安い場合

・作業品質が低い可能性

・後から追加料金を請求される可能性

・法令に従った適切な処分がされない可能性

極端に高い場合

・必要のないサービスが含まれている可能性

・料金設定が不透明な可能性

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。

信頼できる業者は、相場に応じた適正な料金設定をしており、なぜその料金になるのかを丁寧に説明してくれます。見積もり時の説明が分かりやすく、質問にも誠実に答えてくれる業者を選ぶことが大切です。

しっかり現地調査したうえ見積提示をする

信頼できる業者は、必ず現地調査を行った上で見積もりを提示します。

現地調査の重要性

・汚染状況や遺品の量を正確に把握できる

・作業の難易度を適切に判断できる

・必要な人員や機材を計画できる

・予想外の事態を事前に防げる

電話やメールだけの簡易見積もりではなく、実際に現場を確認してくれる業者を選びましょう。

特殊清掃や遺品整理は、状況によって作業内容や必要な時間、人員が大きく異なります。電話やメールでの簡単な説明だけでは、正確な状況を伝えることは困難です。特に、臭いや汚染の程度、建材への影響などは、専門家が実際に現場で確認する必要があります。

現地調査後の見積もりでは、調査で発見された問題点や必要な作業を具体的に説明してくれる業者が信頼できます。「思ったより状態が悪かったので追加料金が必要」などと、後から大幅な見積もり変更をする業者は避けるべきでしょう。

まとめ

特殊清掃と遺品整理は、それぞれ異なる専門性を持ったサービスですが、孤独死などのケースでは同時に必要となることが多いです。両サービスを提供できる業者に依頼することで、効率的かつ適切な処理が可能になります。

大切な方の最期の場所を整理することは、遺族にとって「弔い」の一環でもあります。信頼できる業者は、単なる清掃や片付けではなく、故人の尊厳を守り、遺族の気持ちに寄り添ったサービスを提供します。専門家の力を借りながら、故人を偲び、新たな一歩を踏み出すための時間にしていただければ幸いです。

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